鉄の未来を支える解析技術(分子レベル)

製鉄プロセスでコストに重要な影響を及ぼす要因の1つに原料、燃料があります。この原料や燃料に関するプロセスの開発のためのシーズを提案することも重要な目標の1つです。そのために、これまで見えなかったものを観察するための新しい解析手法の開発を行っています。
高炉で鉄鉱石を還元するのに用いられる石炭は強度が必要なため、コークス炉で乾留し、硬い塊(コークス)にします。このプロセス中の石炭が軟化溶融する過程をNMRで直接観察し、良いコークスを作るのに良い石炭と悪い石炭を区別することに成功しました。さらに、悪い石炭を良い石炭に改質することにも挑戦しています。この技術は次世代コークス炉に応用されています。この技術は鉄鋼他社には実施できない高度なもので、鉄鋼協会やエネルギー学会で表彰されています。
核磁気共鳴法(NMR)

核磁気共鳴法は、原子核を磁場中に置くことで生じたエネルギー分裂を、ラジオ波と共鳴させることによって、化学構造の情報を得る方法です。これは、人の体内を画像化するMRIと同じ原理ですが、医療用では分解能が1mm程度なのに対して、数μmのオーダーで分子構造や化学反応を観ています。
さらに、鉄鋼業に多い高温プロセスに着目し、高温での観測が可能な検出器を開発するなどして、多方面の解析で活躍しています。
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