第19回新日鉄音楽賞
フレッシュアーティスト賞:クァルテット・エクセルシオ
受賞理由
1994年に結成以後、真摯に弦楽四重奏の研鑽を積み、近年特にベートーヴェンの弦楽四重奏曲に対して集中力のある充実した演奏をしている。まもなく15年を迎える活躍に対して、また、これからも自分たちの確固たるカルテット像を四人で築いていって欲しいという選考委員一同の願いを込め、本賞を授与する。
受賞者の紹介
クァルテット・エクセルシオ(弦楽四重奏)
QUARTET EXCELSIOR
西野ゆか(第1ヴァイオリン)
山田百子(第2ヴァイオリン)
吉田有紀子(ヴィオラ)
大友 肇(チェロ)
「迷いの無いリズム運び、これが常設の凄み!」 ― クァルテット・エクセルシオは、年間60公演を行う日本では数少ない常設の弦楽四重奏団である。東京、京都、札幌での定期公演では、ベートーヴェンを軸に王道のレパートリーを展開させてきた。2008年からは“ラボ・エクセルシオ”「20世紀 日本と世界」と銘打ったシリーズを開始、国内外の近・現代作品を新たなアプローチで発信している。また、幼児から学生のためのコンサートや地域コミュニティコンサートを通じて、室内楽の聴衆の輪を広げていく活動にも力を注いでいる。
1994年桐朋学園大学在学中に結成。以後、1996年第1回東京室内楽コンクールに於いて第1位、同年第2回大阪国際室内楽コンクールに於いて第2位、1997年青山音楽賞奨励賞(現バロックザール賞)を受賞、さらに2000年には難関の第5回パオロ・ボルチアーニ国際弦楽四重奏コンクールで最高位を獲得し、さらにサルバトーレ・シャリーノ特別賞を受賞した。
NHK・FMリサイタル、第82回新日鐵プロミシング・アーティスト・シリーズ(1999年紀尾井ホール)、「プロジェクトQ」(2002年カザルスホール)、「クァルテット・ウェンズデイ」シリーズ(2001年~第一生命ホール)、「日本の作曲 21世紀への歩み」シリーズ(2006年・2007年紀尾井ホール)に出演。また、第3回宮崎国際室内楽音楽祭、第3回別府アルゲリッチ音楽祭、ゆふいん音楽祭(第25・27・30回)、国際現代音楽協会「ワールド・ミュージック・デイズ」、日本作曲家協議会「アジア音楽祭 2003 in 東京」、第2回東アジア国際現代音楽祭など、多くの音楽祭にも参加している。 2006年4月にはウズベキスタン共和国にて招聘公演(派遣 国際交流基金)を行うなど、国際社会における日本の文化交流も積極的に行っている。
CDは、ミッテンバルト・レーベルより「山田一雄室内楽作品集」、2007年6月ジェイズ・ミュージックレーベルより「QUARTET EXCELSIOR」をリリースするなど、録音においても古典音楽のみならず現代音楽や新作の初演、邦人作曲家作品の演奏にも数多く取り組み、幅広く活躍している。
これまでに財団法人日本室内楽振興財団(2001年、2008年)、公益信託ルイ・グレーラー記念室内楽基金(2002年)、財団法人ロームミュージックファンデーション(2002年、2005年、2006年、2007年)、財団法人松尾学術振興財団(1996年、1998年、2000年~2001年、2003年~2005年)、財団法人野村国際文化財団(2007年)より助成を受けて活動している。
特別賞:金山茂人
受賞理由
30年にわたって東京交響楽団の楽団長をつとめ、同オーケストラの演奏、企画の充実、経済的基盤の安定に尽くした。その後、日本演奏連盟、日本オーケストラ連盟なども拠点に活動の幅を拡げている。音楽界全体を確かに見渡しての意欲的な発言と行動は、日本の音楽界の将来を展望する活力の中心になっている。
受賞者の紹介
金山茂人 (東京交響楽団 理事・最高顧問)
財団法人東京交響楽団理事・最高顧問、社団法人日本演奏連盟専務理事。 1963年3月、国立音楽大学器楽科(ヴァイオリン専攻)卒業。
1963年4月財団法人東京交響楽団にヴァイオリン奏者として入団。1967年4月からはインスペクター・副代表補佐を兼務した。1976年4月には代表代行(統括責任者)に就任し、1977年4月代表に就任した。
1964年から東京交響楽団は楽員の自主運営となっていたが、1980年9月、財団法人の再認可に伴って専務理事・楽団長に就任、2005年2月楽団長を退任するまで足掛け30年に渡って東京交響楽団の発展に寄与した。楽団長退任とともに理事・最高顧問に就任し、現在に至る。
東京交響楽団で培われた豊富な経験と日本の音楽界に対する鋭い洞察に基づく新しい発想を生かし、東京オーケストラ事業協同組合 会長、社団法人日本オーケストラ連盟 副理事長、芸術家会議 常任幹事、日本アルバンペルク協会 常務理事、日本・ロシア音楽家協会 副会長、財団法人所沢市文化振興事業団 理事・アドヴァイザー、埼玉県鴻巣市ヴィルトゥオーゾアンサンブル楽団 支配人、日本中国文化交流協会 常任理事、富山県文化審議会 委員としても、数多くの実績を重ねている。
これまでに、平成16(2004)年度 北日本新聞文化功労賞、平成18(2006)年度「渡邉暁雄音楽基金」特別賞を受賞。近著には「楽団長は短気ですけど、何か?」(2008年水曜社刊)がある。
(2008年12月)

