第8回新日鉄音楽賞
フレッシュアーティスト賞
樫本 大進 ヴァイオリン
受賞理由
樫本大進は、年少の秀才が多いこの世界でも図抜けた才能で、研ぎすまされた技術と高い音楽性は、18歳にして既に国際水準だ。特に感じるのは「男のヴァイオリン」と言うことで、演奏は優美さのなかに強い骨格、精気に富んだ光がある。しかも謙虚で、音楽とともに通常の高校生活もおくり、他の分野にも広く興味を持つ。期待の星、一致して推薦した。
受賞者の紹介
樫本 大進 (かしもと・だいしん) ヴァイオリン
1979年ロンドンに生まれる。
3歳よりヴァイオリンを恵藤久美子氏に師事。7歳でジュリアード音楽院プレカレッジ入学、田中直子氏に師事。'90年、レーピンやヴェンゲーロフを育てたザハール・ブロンに招かれ、(財)ローム・ミュージック・ファンデーション、(財)安田生命クリオティオブライフ文化財団の助成を得て、ドイツのギムナジウムに通いながら、特待生としてリューベック音楽院に入学、現在に至る。フィラデルフィアに於ける第4回バッハ・ジュニア音楽コンクールで第1位受賞。'91年ヴィエニャフスキー国際ヴァイオリン・コンクール(ジュニア部門)で第3位に入賞し、同時に文化大臣賞、ヴィエニャフスキー最優秀演奏賞も受賞。'93年メニューイン国際ヴァイオリン・コンクール(ジュニア部門)第1位、'94年第3回ケルン国際ヴァイオリン・コンクール第1位(最年少参加)、又ドイツに於いてシュタイゲンベルガー賞及びダヴィドフ賞受賞。'96年フリッツ・クライスラー国際音楽コンクール、ロン=ティボー国際音楽コンクール優勝。日本では、'95年アリオン音楽賞、'97年出光音楽賞、モービル音楽賞を受賞。
既に欧州各地でリサイタル並びにモスクワ・ソロイスツ、ロシア国立交響楽団、サンクトベテルブルグ・フィルハーモニー、ワルシャワ・シンフォニー、バンベルク・シンフォニー、フランス国立交響楽団等と共演。
日本では、'96年1月、紀尾井ホールでのリサイタルでデビュー。4月に、ウラディミール・フェドセーエフ指揮:大阪フィルハーモニーの第297回定期演奏でオーケストラデビュー。'97年の活動としては、4月スヴェトラーノフ指揮、ロシア国立交響楽団と共演、7月「東京の夏」新人紹介コンサートでリサイタル、12月、モスクワ放響交響楽団と共演、ザハール・ブロンの世界(バースデー・コンサート)に出演、東京交響楽団と共演。
'96年12月、フォーバル・ファンデーションよりアントニオ・ストラディヴァリ“レインヴィル”を2年間無償貸与される。
特別賞
小川 昂 音楽資料研究家
受賞理由
小川昂氏は県立長野図書館司書を皮切りに、NHK入社後も主として資料関係の職場で、音楽資料蒐集と研究に先駆的な業績をあげられました。氏の編著になる、「新・日本の交響楽団定期演奏会記録」や「洋楽索引」「洋楽の本」などは現在も研究者の必携の労作となっています。我が国の音楽文化発展の陰の力としての氏の存在は極めて大きなものと言えるでしょう。
受賞者の紹介
小川 昂 (おがわ・たかし) 音楽資料研究家
1912年(M45年)3月生まれ。
中学時代よりチェロの勉強をはじめ、アマチュア・オーケストラなどで演奏。文部省図書館講習所卒。
県立長野図書館司書、NHK音楽資料課長、NHK資料部長、NHK音楽部長、NHK交響楽団常務理事・事務長、日本音楽著作権協会資料部嘱託、民主音楽協会音楽資料館常勤顧問を歴任。
'72年黄綬褒章、'73年サントリー音楽賞、'87年民音芸術賞、'95年渡邊暁雄音楽基金特別賞を受賞。
関係団体:NHK会友、NHK交響楽団団友、音楽図書館協議会顧問、日本近代音楽財団評議員、ジェスク音楽文化振興会評議員
主な著書:洋楽索引上巻、下巻
洋楽の本・明治期以降刊行書目
新・日本の交響楽団定期演奏会記録
日本のオーケストラ(共編著)
'98年1月「オーケストラ作品演奏時間表」(8,700余タイトル)が出版される予定。

