第7回新日鉄音楽賞
フレッシュアーティスト賞
川本 嘉子 ヴィオラ
受賞理由
川本嘉子さんは、大きな流れを持ったヴィオラ奏者である。そして豊かで麗しい音で歌いあげるとき、ヴィオラという楽器が極めて魅力的なものとしての光沢を放つ。それに加えても川本さんは、強い情熱を持ち、卓越したテクニックを持つ。特に95年以降、川本さんの活躍は、顕著なものとなり、本年も、その実力が確認されたものである。又、今後も引き続き期待できる人であることから、フレッシュアーティスト賞に決定した。
受賞者の紹介
川本 嘉子 (かわもと・よしこ) ヴィオラ
1966年7月生まれ。
桐朋学園高校を経て、同大学に入学。在学中より学内の演奏会に数多く出演。1989年第6回東京国際コンクール室内楽部門にてイグレック・カルテットで優勝。'89年、'90年にはタングルウッド音楽祭に招待を受けて参加。Grace B. Jackson賞を受賞。'91年東京都交響楽団への入団をきっかけに、ヴィオラに転向。'92年ジュネーブ国際コンクール・ヴィオラ部門で第2位(1位なし)入賞。アメリカのマルボーロ音楽祭、スイスのダボス音楽祭、その他国内の音楽祭に室内楽奏者として数多く参加。これまでに江藤俊哉、鈴木愛子、末吉保雄、原田幸一郎の各氏に師事。'96年松村賞受賞。
特別賞
鶴田 昭弘 ピアノ調律師
受賞理由
鶴田昭弘氏はピアノ調律師として、内外の一流ピアニストたちの数多くのステージを支えてきた。調律師の仕事は華やかなステージの裏にあって一般聴衆に知られることは滅多にないが、、その存在なくしてピアノが関わるコンサートが成立しないことは誰もが認めることである。 特に鶴田氏の場合は技術的な確かさとともに、音楽的な助言などで、ステージに向かってややもすれば孤独に陥りがちなピアニストたちを精神的に支えても来た。同等のピアノ調律師は他にもあげられるが、その代表という意味も含めて今回は、内外にも高く評価されている鶴田氏にあえて決定した。
受賞者の紹介
鶴田 昭弘 (つるた・あきひろ/ピアノ調律師)
| 1940年 | 4月鹿児島生まれ。 |
|---|---|
| 1955年 | 河合楽器製作所技術研究生として入社。故、宮本繁氏に師事。 |
| 1957年~ | 河合楽器製作所の特約店に調律師として勤務。 |
| 1967年 | 故、杵淵直知氏に師事。 |
| 1968年 | ハンブルクスタインウェイ社に留学。以来本格的にコンサート・テクニシャンとして活動。 |
| 1973年 | フリーとなりコンサート・テクニシャンの仲間作りと研究会を開始。 |
| 1978年 | 松尾楽器商会(スタインウェイ日本総代理店)の技術部を充実させるために当時の仲間と共に同商会に入社。 |
| 1996年 | 鶴田ピアノ技研創立。 今後は、一企業の製品(スタインウェイ)のためだけではなく、純粋に技術者としてピアニストのために、あらゆるピアノを手掛ける覚悟である。 |
スタインウェイ社留学以来28年間、国内外のピアニストのコンサートやレコーディングの仕事は、年間250回~300回に及びその範囲は日本全国のほか、韓国、台湾、タイ、ノルーウェイに及ぶ、またその間の活動は、新聞、雑誌などに多数紹介され、最近はコンサートのプログラムで、ピアニストと調律師の関係や、音楽における音高・音価関係などについての意見を述べ、また、それを把握できる技術者の指導にも当たっている。

